全国で痛ましい事件が後を絶ちません。ささいなことで突発的な暴力に走るケースが多いようです。感情をコントロールする方法を学ぶ教育が必要だと思います。感情のコントロール方法を知らないということは、運転方法を知らないで車を運転するのと同じです。今回は感情と呼吸について考えてみましょう。
ところでみなさんは、ふだんどのような感情を感じているでしょうか。感じ方や感情の持ち方には、人それぞれ癖があります。自分のことはわかりにくいのですが、周りの人を見るとよくわかります。怒りっぽい人や、すぐに落ち込んだり悲しくなってしまう人はよく見かけるからです。今回はこの感じ方の癖を、呼吸から整えていく『呼吸法』を家族で試してみてください。
呼吸法を試してみよう
① 今の自分の呼吸に意識を集中してみましょう。呼吸の速さ、リズム、深さはどれくらいでしょうか。息を吸い込んだときふくらむところに手を当てて、どのあたりに息が吸い込まれているか確認してみましょう。
② 次に最近あったちょっと嫌だった場面や、緊張した場面などを具体的に思い描いてみてください。そしてそのときの呼吸に意識を集中します。先ほどの呼吸に比べて、呼吸の深さ、速さ、リズムはどのように変わっているでしょうか。
③ 今度はリラックスした場面を思い描いてみましょう。例えば南の島にいったことをイメージしてみてください。一面に広がるエメラルドグリーンの海を砂浜で眺めていたとしましょう。心地よい風の中であなたはゆったりくつろいでいます。そのときの呼吸を確認してみましょう。先ほどと比べて呼吸にどのような違いがあるでしょうか。
※ 緊張したりストレスを感じた場面では、呼吸は浅く早くなっているか、または呼吸を止めていることに気がつきましたか?逆にリラックスした状態では、呼吸は深くゆっくりになります。
※ 呼吸と感情は密接につながっていることが確認できたと思います。
④ 今度は、ゆっくり大きく呼吸をしながら、緊張したり不快な感情を感じてみましょう。
※ 多分、ゆっくり大きな呼吸をしながらでは、緊張することも不快な感情になることもできなかったと思います。ストレスの高い緊張場面や感情的な場面では、呼吸をゆっくり大きくすることで、緊張や不快な感情をやわらげることができるのです。
呼吸を使うと一時的な感情をコントロールすることができます。呼吸を意識して深くゆっくりするだけでいいので、場所や状況を選ばずにいつでも使えます。野茂選手もテレビでよく見ていると、打たれたときに大きく呼吸をして緊張やストレスをコントロールしていることがわかります。みなさんも、感情的になったときや、試合やテスト、人前で話をするときなど日常のいろいろな場面で試してみてください。
また、日頃から深くゆっくり呼吸をすることを繰り返していると、感情が安定してくるという効果もあります。呼吸法を使って落ち着く方法をマスターすると、自分の心をコントロールできるという自信につながり、「何かあっても自分は大丈夫」と思えるようになっていきます。感情的になると自分にも相手にもマイナスなことが多くありますので、呼吸法を続けて感情をコントロールする方法を身につけることをお勧めします。
