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心のコンディションを整える

■心のコンディション

 シーズンに入ってくると、身体のコンディションを整えることが大切になってくると思いますが、実は身体と同じぐらい『心のコンディション』を整えることが大切です。心の状態が悪ければ、練習にも実が入らず、試合で集中することも実力を発揮することもできないからです。練習でも試合でもよい結果を残すことができるように、今回は『心のコンディション』を整える方法をご紹介します。
 心のコンディションを整えるには、『心の栄養を補充すること』が必要です。身体の栄養が不足すると調子が悪くなったり、病気になったり死んでしまいますが、心の栄養が不足すると、やる気がなくなったり、マイナス思考になる、心配で集中できない、暴れる、病気になる、死ぬというような症状がでてきます。心は目には見えませんが、心に栄養を補充しながら心のコンディションを整えることは、野球の試合で良い結果を出すことだけでなく生きていく上でとても大切な意味を持っています。最近では心の病も増えていますから、自分で自分の心の状態をコントロールできるように『心に栄養を与えていく技術』を教えていく必要があると思います。


■心の栄養を補充する

 ますは心の栄養状態をチェックするところからはじめましょう。心の栄養状態を%で表してみましょう。心の栄養状態が80%以上あると、なんだか嬉しい気持ちであったりウキウキするような感覚があったり、ものごとを肯定的に受け取ることができて考え方もポジティブに考えることが自然とできる状態です。50%ぐらいになると、嬉しくもないけど辛くもなくて、ただたんたんと過している状態です。30%未満になると、感情の起伏も激しく、ものごとの受け取り方は否定的で、考え方もネガティブになったり、むしゃくしゃしたりイライラしたり、すぐに悲しくなったりする状態です。さて、皆さんや皆さんの選手たちの今の心の栄養状態は、何パーセントぐらいでしょうか。自分の心と向き合って自分の感覚で数字を出して左の表に色を塗ってみましょう。

(表が入る)

 さて、どのくらいの栄養が想像できたでしょうか。学校をまわっていると、子どもたちも先生方も栄養が足りていないと自覚されている人がものすごく多いことに驚かされます。30%ぐらいと記入されている人が多いのです。30%といえば、ものごとを否定的に受け止めてしまったり、考えてしまう状態と説明して記入してもらっていますので、言い換えれば、多くの人が否定的な思考に苦しんでいる状態といえます。この状態では、野球に対しても、未来に対しても否定的に考えてしまうことも多くなるでしょうし、心に余裕がないので、八つ当たりしたり情緒不安定になってしまっても仕方ない状態といえます。
 ですから、自分のためにも自分をもう少し大切にして、心の状態をケアすることが大切になってきます。

【心の栄養になるものは?】
 それでは、具体的にどのようなことが自分の心の栄養になるのでしょうか。そのヒントは、今までで一番やる気が湧いてきたときにあります。子どもたちに次の質問をしてみてください。
 生まれてから今までの間を振り返って、一番やる気が出た時のことを思い出してみてください。どのようなときやる気が出たでしょうか?

 やる気が出た理由は人それぞれかもしれませんが、共通点が見つけられると思います。例えば、認められた、褒められた、期待された、信用された、実力に見合った課題が示された、自分が行うことによって喜んでもらえる結果が得られた、感謝されたなどです。その他にも自分にとって嬉しいことを見つけていくと、何が自分の心の栄養になっていくのかが見つけられます。
 嬉しいことを見つけてみましょう。野球に限ったことでなくていいので、自分はどんなとき嬉しいかを考えてみましょう。

 例えば心の栄養になるものには、笑顔、話を聴いてもらう、一緒に何かをする、信頼される、実力を認めてもらう、マッサージ、言葉がけ、食事を御馳走してもらうなどがあります。イチロー選手の子どもの頃のエピソードとして、イチロー選手の父親が練習につきあい、マッサージを毎日欠かさなかったことなどがありますが、これらも心の栄養となりますから、強くなる選手を支えてきたものも心の栄養だったといえるでしょう。
 また、心の栄養は人からされることだけではありませんから、自分で自分の心に栄養を与えていくこともできます。自分を大切にしたり、自分にとって心地よいことをすることも心の栄養になります。例えば、お風呂にゆっくり入る、身体にいいものを食べる、睡眠を充分とるなどのように身体をいたわったり、自分のいいところを見つけて自分を褒めたり、褒められたり認められたり試合に勝つなど自分にとって心地いいイメージを思い浮かべることも心の栄養となります。過去の誇らしかったことを思い出すことも効果的です。これなら人に頼らずに自分で自分の心をケアできます。次の質問に答えながら心の栄養を満たしていきましょう。

① あなたが得意なことや好きなことは何だろう。

② あなたが嬉しいことは何だろう。  いくつでもいいから挙げてみよう。

③ あなたが幸せを感じるときはどんなとき?

④ 今までのできごとの中で、一番誇らしかったことはなんだろう?

⑤ 今までで、一番頑張ったことは何かを思い出してみよう。

⑥ あなたが感謝していることはなんだろう?

⑦ 今の自分にできる自分を大切にできることはなんだろう。

【心の栄養を蓄えるために必要なこと】
 心の状態はその状況によってもことなります。けれども心の栄養は、プラスの栄養が一つ入ると、マイナスが一つ出ていくというメカニズムになっていますから、心の状態がよくなかったり不安定なときは、自分で自分の心に栄養を補給していけばいいわけです。

(イラスト)


【与えれば循環して返ってくる】
 心の栄養補給は自分でもできることをお伝えましたが、実は、人に与えていくと与えた分だけ循環して自分に戻ってくるという法則があります。人に与えると減ってしまう気がして損したように感じる人もいますが、実は反対です。自分からいろいろな人に発信していくとどんどん自分に返ってきますから、心の栄養を自分に与えていくと同時に、人にもどんどん与えていくようにしてみましょう。また、心の栄養が満たされた環境をつくっていくと、周りの人の心の状態も良くなるので、自分にとって居心地のいい環境が整い、チームも安定して強いチームになっていきます。

(イラスト)

【心に栄養が溜まらない5つの思い込み】
 いくら栄養を与えようとしても心に栄養が蓄えられない人がいます。5つの思い込みが心の栄養を貯まらないようにしているのです。この5つの思い込みがないかどうか自分に質問してみましょう。

1. 人を褒めてはいけない(人に心の栄養を与えてはいけない)
 人を褒めたら損をするとか、褒めたらつけあがるという考えが相手に心の栄養を与えることを阻止しています。人に与えないと自分にも返ってこないので、結局心の栄養が溜まらない結果になってしまいます。
→ 人を褒めてもいい。自分から褒めていこう

2. 褒め言葉を受け取ってはいけない(心の栄養を受け取ってはいけない)
 「いえいえそんな、自分なんてまだまだです」というように、せっかく褒められても謙遜することが正しいという思い込みが、心の栄養が溜まらない状態を作り出してしまいます。ですから、褒められたら「ありがとうございます」と受け取るようにしていきましょう。
→ 褒め言葉や嬉しいできごとをを受け取っていい

3. 欲しい言葉やして欲しいことを要求してはいけない
 人に褒めてもらうことを要求するなんてできないと思う人が多いようです。けれどもどうしてもこのポイントを認めて欲しいというときは誰にでもあります。あなたの欲しいものはあなたしかわからないのですから、褒めてくれる人を見つけておくと、心の栄養補給に役立ちます。
→ 褒めて欲しいときや見て欲しいとき、して欲しいことは具体的に表現していい

4. 欲しくない褒め言葉も受け取らなくてはいけない
 ときには嬉しくない言葉をもらってしまうこともありますが、自分にとって嬉しくない言葉をもらうと不快になってもあたりまえですから、もし嬉しくない言葉をもらったときは、受け取る必要はありません。
→ 欲しくない言葉は受け取らなくてもいい

5. 自分自身を褒めてはいけない(自分自身に心の栄養を与えていい)
 自分を褒めることに抵抗がある人がいるようです。けれども人からの褒め言葉を待つより大切なのは、自分で自分のいいところをどんどん見つけていく習慣を持って自分の心を安定させることです。「自分はできる」「自分はすごい」などと心の中の声でいいので、どんどん褒めていきましょう。
→ 自分自身を褒めて良い(心の栄養を自分に与えてもいい)


■指導者や親など周りの大人ができるサポート

 まじめに取り組んでいる子どもたちほど、自分自身に課するレベルが高く、そのレベルに達しない自分に苦しんでいる場合が多いようです。それは指導者には見えにくい部分です。確かに自分に果たすレベルが高いほうが、取り組み具合もよく成長の度合いも大きいかもしれません。けれどもメンタルヘルスの観点からは厳しい状況に追い込まれてしまうようです。その状況を打破するために、心の栄養という視点を持ち、間違った思い込みという呪縛をといて、健全な心の状態でいられるようにサポートしてあげて欲しいと思います。子どもの頃の思い込みや自分への要求の高さとそれに伴う自分への評価の低さは、大人になっても持ち越すことが多いので、大人になってから心の歪が生じて苦しんでいることが多いようです。少年期はそういう意味でも思い込みを修正するチャンスですので、周りにいる大人が支えてあげて欲しいと思います。
 「しなければならない」という自分に課するレベルに達するための練習は本人にとっても苦しいものです。しかし、心のコンディションを整えながら自分の夢に到達するために「こうなりたい」と思って行う練習は、楽しくて心にも良いものです。是非後者になるためのサポートをお願いします。

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2010年5月30日 18:36に投稿されたエントリーのページです。

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