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ストレスに克つ『セルフコントロール法』

■自分への自信を高めるために

 子どもたちに、自分に自信を持てるようになってほしいと願っても、現状には自信を持てない子どもは沢山います。今回は、誰でもできる簡単なセルフコントロール法を使って自分の心をコントロールする方法を学び、「この方法を使えば自分は大丈夫だ!」という気持ちを引き出すプログラムをご紹介します。呼吸を使って気持ちをコントロールする『呼吸法』と、体の中心点を意識して実力を発揮できる体の状態を意識的につくる『センタリング』といういつでもどこでも簡単にできる2つの方法です。

【呼吸法のプログラム】
① まず、今の自分の呼吸に意識を集中していきましょう。今の自分はどのような呼吸をしているでしょうか。呼吸の深さ、大きさ、テンポ、リズムなどを感じてみてください。

② 次に、緊張場面を想像してみます。自分が試合で焦ったり緊張した場面を具体的にイメージしてみましょう。イメージしたら、そのときの呼吸に意識を向けてみてください。呼吸の深さ、大きさ、テンポ、リズムなどは、先ほどとどのように違うでしょうか。

③ 次に、リラックス場面を想像してみます。今度は試合ではなく、ゆったりと心地よい場面をイメージしてみます。例えば、南の島の海岸で、エメラルドグリーンの海をぼんやり眺めていることをイメージして見ましょう。そのときの呼吸を感じてみると、呼吸の深さ、大きさ、テンポ、リズムなどは、先ほどとどのように違うでしょうか。

④ 3つの呼吸の違いを確認してみます。緊張状態では呼吸は浅く早くなり、リラックス状態では、呼吸はゆっくり大きくなります。心と呼吸は密接につながっていることに、気がつくと思います。試しに、ゆっくり大きく呼吸しながら緊張してみましょう。多分、ゆっくり大きな呼吸をしながら緊張することはできないと思います。このことを応用して、呼吸を使って意識的に緊張状態から、リラックス状態を導くのです。

⑤ では、もう一度緊張する場面を想像しながら緊張状態を意識的につくって、できたらゆっくり大きな呼吸をしながら、落ち着きを取り戻してプレーするところをイメージしてみましょう。この方法は、どんなときにも活用できるので、試合や練習で繰り返し試してみましょう。

※呼吸を使って誰でも簡単にできるこの方法をマスターしておくと、子どもたちは「自分は緊張しても落ち着く方法を知っているから大丈夫だ」というように、緊張することを恐れなくなります。また、第1回目で紹介した心の声をマイナスからプラスに切り替える方法と組み合わせるとより効果が発揮されます。


■実力を発揮できる状態をつくる

 緊張しても意識一つで実力を発揮できる状態に切り替える方法をマスターしていれば、子どもたちはここぞというときに実力を発揮できるようになり、その体験の積み重ねが自分への自信へとつながります。その状態をつくる方法が、センタリングといって、臍下丹田に意識を集中する方法です。

【実力を発揮する状態をつくるセンタリング】
 このプログラムは2人組みで行うとより効果的です。

① 2人組みのペアをつくります。

② 一人が肩幅に足を開き、まっすぐに立ちます。もう1人は、肩の辺りを軽く押してみて、身体がどのようにぶれるのか確かめてみましょう。

③ 次は、立っている人は、おへその下指3本分のところと、身体の厚さのちょうど中心の線が交わる1点を意識してみます。

もう1人は、先ほどと同様に肩の辺りを軽く押して、身体のブレの違いを確認してみましょう。

④ 身体の中心点を意識した状態と、そうでないときの違いをペアで話し合ってみましょう。センタリングがうまくできれば、押してもぐらつかないでいられたと思います。

⑤ ペアの役割を交代して①~④を行ってみます。

⑥ 全体でどのような違いを感じられたのかシェアリングしてみましょう。


■セルフコントロール法で自信を高める援助をする

 今回は、子どもたちが緊張してしまう場面でも、気持ちをセルフコントロールしながら実力を発揮できる状態をつくりだす方法を2つご紹介しました。多くの子どもたちは、自分が緊張してしまうことを恐れています。緊張して打てなかったり、エラーしてしまうことを繰り返すと、「また緊張してしまうのではないか」という不安を抱くようになり、「緊張してしまう自分はダメなんだ」と思いこんでしまいます。
 しかし、セルフコントロール法を身につけることにより、「緊張しても大丈夫!」と思えるようになったら、どんなときでものびのびとプレーできるようになります。実際に、この方法を子どもたちに指導すると、緊張しても自分は大丈夫だという意識が高まり、硬くならずにプレーできるように変化しているようです。この変化の積み重ねが自分への自信へつながりますので、指導の中でも呼吸やセンターを意識した練習をしてみてください。
 また、この2つの方法は試合のときだけでなく、さまざまな場面で効果をもたらしています。一つには、センターを意識しながらプレーすると、動きのキレがよくなるようです。体のブレも改善します。素早く動けるようになるし、ふらつかない状態もつくります。立って話を聞くときも、ふらつかないし、また、集中して話を聞くことができるので理解力も高まるようです。
 呼吸法は繰り返し行うことで、感情も安定してくるといわれています。ゆっくり大きな腹式呼吸を日ごろから繰り返していると、動じない心に成長するようです。子どもたちは動じない心を手に入れるために、さまざまな場面で繰り返し練習しているようです。感情にもコントロール感が持てるようになることは日常のストレス場面でも役立ちます。このスキルは野球の枠を超えて、子どもたちにとってとても役立つものですので、是非身につけさせてあげて欲しいと思います。
 次回は、試合で落ち着いてプレーするための『イメージトレーニング』をご紹介します。

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2010年5月30日 17:57に投稿されたエントリーのページです。

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