« やる気を引き出す | メイン | 「やる気」を引き出すために »

「やる気」を引き出すために

■『自分の目標』を見つける

 子どもたちが、本当の意味での「やる気」を引き出すためには、子どもたち自身が、『自分の目標』を持つことが大切です。しかし、ただ、「目標を見つけなさい」と言っても、何が自分の目標なのか見つけられる人は少ないでしょう。今回は、自分が本当に求めているものは何なのかを見つけていくために、『自分の目標を見つける魔法の質問』を使った目標設定の仕方をご紹介したいと思います。
 目標を持ったときと持たないときのパワーの違いや、障害の感じ方の違いを前回ご紹介しましたので、その方法を使って目標を持ったことが如何に自分にとって有効なのかを確認した後に、自分の目標を見つけるためにという流れで、この質問を使うとより効果的です。


■自分の目標を見つける魔法の質問
 
☆ 今の自分はどんな自分?
 一つめの質問は、「今の自分はどんな自分か?」という質問です。技術・体力・精神面から具体的に書いてみましょう。

ここで伝えたいメッセージは、前に進むためには、自分の現在地点を確認することが必要だということです。ここでいう現在地点とは、自分自身をどのようにとらえているかという心の現在地点のことです。いいところも悪いところも含めて受け入れてはじめて、前に進むことができます。

☆ 自分のプレーのいいところは?
 二つめの質問は、「自分のプレーのいいところは?」という質問です。技術・体力・精神面から具体的に書いてみましょう。

 ここで子どもたちに伝えたいメッセージは、『自信は待っていてもつくものではない。自信は自らつくるものだ』ということです。この質問の答えが自分の自信へとつながります。この質問をすると、多くの子どもたちがなかなか書けずに困っています。人と比べて劣っているとか、人に認められないから自分の良さだと自分も認められないと考えているようです。また、自分でいいと思ってしまったら、それ以上伸びないのではないかという不安を持っていることも多いようです。しかし、マウンドでプレーをするときに、自分の見方になってくれるのは、どれだけ具体的に自分の良さを自覚しているかということだと思います。「自分は、~だから大丈夫!」というように、自信を持って試合に強気で臨むためには、自分のプレーのいいところをどれだけ自分で認めているかということがとても重要になってきます。そのことを伝えるとはじめて、自分の良さを受け入れてもいいんだというように自分に許可できるようです。そして、今はいいと思うところが少なくても、これからの自分のために自分のいいところをたくさん増やしていこうというメッセージを伝えてあげてください。もちろん、指導者も子どもたちが具体的に自分の強みを自覚できるような言葉を、日常の練習の中でかけていくことも大切です。

☆ 自分の改善したいところは?
 三つめの質問は、「自分の弱みや改善したいところは?」という質問です。技術・体力・精神面から具体的に書いてみましょう。

 二つめの質問に比べて、自分の改善したいことはたくさん思いつくようです。どんどん書いている子どもが多いようです。子どもたちは、自分の足りない部分を自覚しているようです。ここで子どもたちに伝えたいことは、『弱みは弱みで終わらせない。弱みも克服したら強みに変わる』ということです。自覚している弱みは、放っておくと不安の材料になってしまいます。試合に強気で臨みたいのに、「~だからどうしよう...」というマイナスの言葉になって、ますます自分のパワーを弱めてしまいます。ですから、ここで答えられた課題を克服して、自分の強みに変えていこうということを伝えてください。

☆ 何でも叶うとしたらどんな選手になりたい?
 四つめの質問は、「どんなことでも叶えられるとしたら、どんな選手になりたいか?」
という質問です。こんなふうになれないのではないかと思う気持ちはおいといて、ここでは自由に書いてもらいましょう。

 ここで子どもたちに伝えたいメッセージは、『あきらめない!』ということです。誰でも気がつかないうちに自分の可能性に限界の壁をつくってしまい、「そうはなれないんじゃないか」とあきらめてしまっていることが多いのです。ですから、ここで一度そのあきらめの壁をとっぱらって本当に求めている『なりたい自分』を思い描いてみるということをしてみます。ここではあこがれの選手などをイメージしてみると、自分が本当に求めている能力などが具体的になってきます。

☆ 本当に手に入れたいものは?
 五つめの質問は、「本当に手に入れたいものは何か?」という質問です。ここでいう手に入れたいものは、目に見えない何かでもいいです。お金では買えない何かでもいいです。

 ここで伝えたいメッセージは、本当に欲しい何かを具体的に見つけることができたら、それは手に入れることができるということです。

 質問をひとつひとつ自分に問いかけながら、自分の内なる声に耳を傾けるようにして行います。人の目を気にしなくていいように配慮して、時間も一つの質問に3~5分くらいはとります。答えが出てこなくても、そのくらいの時間はじっくりと自分に問いかける時間にしてください。私がこの質問を使うときには、どんどん先にいかずに、ひとつひとつみんなで進みながら、メッセージを伝えていきます。質問によって子どもたちは目に見えない自分の心と向き合いながら、心を整理していくことを援助できるのです。このプロセスを通して、自分が本当に求めている目標がうかびあがってきます。質問が終わったら、自分が書いた内容をながめながら、いろいろ感じてほしいと思います。自分でも気がつかないでいた自分が見えてきます。そして、求めていたものが少し見えてきます。


■大人ができるサポート
 『頑張れ』『自信を持て』と大人は指導しますが、子どもたちは「どうやったら頑張れるのか」「どうしたら自分に自信を持つことができるのか」という具体的な方法を知りたがっています。子どもたちだって「頑張れる自分になりたい」し、「自信を持ちたい」と思っているのです。
 今回紹介した5つの質問は、『頑張るにはどうしたらいいのか』『自信を持つにはどうしたらいいのか』という2つの課題に対して具体的な方法を示すものです。例えば2つめの質問「自分のいいところは何か」をたくさん見つけていくことや、3つめの質問「自分の弱みや、改善したいところは何か」という自覚している弱みを克服していくことは、自信を育てることにつながります。また、第1回目で紹介した「心の声をマイナスからプラスに切り替えていく方法」も、自身を育むための具体的な指導となります。こうして、自分はこの方法を知っているし、この方法を実践しているから大丈夫なんだという感覚が、自分への自信という確信を一つずつ増やしていくのです。「自信を持つ」ことは、安心して頑張れる土台をつくることにもつながります。
 また、頑張るための方法としては、1つめの質問から出てきた答えから自分の現在地点を確認し、4つめと5つめの質問で出てきた答えかをヒントにしながら自分の求めている目標を見つけると、目標を達成したくなって自ずと頑張りたくなります。このような具体的な指導によって、子どもたちは自分の中から答えを見つけ出すことを体験して、自分は答えを見つけることができるという自信と安心感が子どもたちの心を成長するのを手助けします。子どもたちは、この活動をするととても感謝してくれます。子どもたちは知りたがっているのです。
 次回は、自分の求めている目標を実現していくために何ができるのかを自分の中から見つけ出し、実行にうつしていく『夢実現プロジェクト』ををご紹介します。

About

2010年5月30日 17:44に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「やる気を引き出す」です。

次の投稿は「「やる気」を引き出すために」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type
 
Get macromedia FLASH PLAYER ※一部FLASHを使用しています。画像が表示されない場合は
最新のMacromedia Flash Playerをダウンロードして下さい。
Copyright(C)2006-2008 Fumiko Katoh. All Rights Reserved.