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スランプを克服する5つの方法

■スランプは人それぞれ

 スランプと一言で言っても、その内容はさまざまです。記録の停滞や伸び悩み、プレーの癖に悩んだり、怪我もあるでしょう。レギュラーになれない、ミスが続く、試合で緊張して実力が発揮できない、スタミナ切れまでその種類もさまざまだと思います。こんなとき、子どもたちにどのような指導ができるのでしょうか。
 スランプに陥る人は多いのに、スランプに陥ったときの対処法を知っている人は少ないようです。スランプを乗り越えられないで競技をやめてしまう人もいます。
 今回は、スランプの克服する5つの方法をご紹介したいと思います。


■良いイメージで克服する

 前回と前々回に、イメージの力を使ったメンタルトレーニングを紹介してきましたが、スランプの克服法についてアンケートをとった結果、良いイメージを思い描いて、そのイメージで自分はできると信じる方法を使ってスランプを乗り越える人が一番多くいました。
 スランプのときは、マイナス思考に偏る傾向があり、不安との戦いになります。これを克服するには、やはり「自分はできる!」と信じることと、信じるために良いイメージを活用することが一番です。みなさんも、日頃から良いプレーのイメージを描く習慣をつくり、「自分には必ずできる!」と繰り返してスランプを乗り切ってください。

① 自分がこんなプレーをしてみたいというプレーを鮮明にイメージしてみましょう。そしてそのプレーをしている自分になりきります。頭の中で何回も何回もそのイメージを繰り返します。良いイメージを自分のものとするためには、良い選手の好プレーの映像を繰り返し見るのも効果的です。

② 次に、「こんなプレーができる自分には、必ずなれる!自分にはその力がある!自分はできる!」と心の中で繰りかえしてみましょう。
 私たちには、イメージできたことは実現できる力があります。イメージの力を信じて、自分を信じていくことが大切です。


■積極的休息で乗り切る

 休息というと、罪悪感を感じてしまう選手が多いようです。私自身も、現役の頃は「休んではいけない。休んだら負け」という想いが頭にあって、怪我をしても病気になっても、精神的に疲れていてもどんなことをしても練習から離れられませんでした。しかし、病気や怪我のときだけではなく、実際に良いプレーヤーは休息を上手く取り入れ、精神的にも体力的にも充電して次へのステップにつなげています。
 イチロー選手の著書のなかにも、「まず、身体をゆっくり休めて、野球がやりたくなるまで待ちます。」という言葉がありました。どんなスポーツでも「やりたい」気持ちでプレーすることが大切です。特にスランプの時には「練習時間を短く切り上げたり」「休むこと」を上手に使いながら、「やりたい」と思う気持ちを十分に感じることが大切です。

① まず、自分の気持ちを整理するために、積極的休息は大切なことなんだと心に決めて、休息する。

② 野球がやりたくなるまで待つ。

③ 「野球が好き」「野球がしたい」「こういうプレーができる野球選手になりたい」という気持ちが湧いてきたら、自分は何がしたいのか言葉にしてみます。

④ その言葉を書き出してみましょう。見えるところに貼りだしてもいいし、よく目にする日誌の表紙の裏などに記してもいいと思います。

⑤ 気持ちの切り替えができたら、新たな気持ちで練習に復帰しましょう。


■元気になる何かをする

 人それぞれ、元気になる何かは違うと思いますが、『自分にあった元気になる方法』を見つけることも効果的です。誰でも、自分に元気をくれる歌や、マンガ、映画、遊びなどなんでもいいのですが、それをするとなんだか元気が湧いてきて、心のチャンネルをマイナスモードから、プラスモードに切り替えられるものを見つけておくといいのです。
 スポーツ選手の中には、試合の前にCDなどを聴いて心のコンディションを整えている光景をよく目にすると思いますが、この方法はスランプでマイナス思考になっているところを切り替えるのにも役立ちます。


■練習の方法を変えてみる

 同じ練習を繰り返していると、成長の段階で伸び悩むのは当たり前のことと言えるかもしれません。スランプは、何かが上手くいっていないというシグナルなのです。そのシグナルをキャッチしたら、もう一度基本に戻って、練習方法を見直したり、今までの練習のやり方を変えてみるということをお勧めします。
 自分の尊敬している人にアドバイスをもらったり、もしわかれば、尊敬する選手の練習法を取り入れてもいいと思います。視点を変えて取り組むことが、スランプを克服する上で役に立つと思います。


■成長曲線で客観視する

 スランプになると、どうしても不安にどっぷりとつかってしまい、精神的に追い詰められて苦しむことが多いようです。そのような状態では、自分の未来を客観視することができなくなります。そんなときに、もう一度冷静に、スランプを考えるために、成長曲線を使って客観的に自分を見直すことが効果的です。
 成長曲線というのは、自分の成長を曲線で表したものです。横軸が自分が努力している時間で、縦軸が成長の度合いです。まっすぐに、右斜め上に線が伸びればいいのですが、ほとんどの人は、このグラフが示すように、成長する上でこのような曲線を描くといわれています。

 横軸に平行なときが、スランプを示しています。この線を見てもわかるように、多くの人は成功するまでに、少なくとも3回はスランプがあるようです。このスランプのときに、あきらめて辞めてしまえば、そこまでの選手で、スランプでも粘り強く続けられる人が、成功できる選手です。自分はどちらを選びたいでしょうか。選ぶのは自分次第なのです。
 この成長曲線を使うことで、今の自分は成長の一過程に過ぎないということが理解できます。このことを理解すると、今自分はどこにいるのか、今後はどのようにしていきたいのかという先を見通して考えることができるようになります。スランプに陥ったままではなく、自分にはその先の輝かしい未来があることをイメージできれば、スランプを乗り切る力となるようです。
 私は、スランプに陥っているときに限らず、みんなにこの話をしています。スランプははたから見てもわかりにくいこともあり、子どもたちはそれぞれ悩んでいることが多いので、この話をすると子どもたちは自分にあてはめて考え、乗り越える決意をあらたにしていることも多いからです。


■大切なのは自分を信じる

 スランプを乗り越えるための5つの方法をご紹介しましたが、やはり一番大切なのは、「もう限界」と思うのか、「もう少しやれる」と思うのか、という『心の声』なのです。
 「もう限界」と思えばスランプは乗り越えられません。「もう少し頑張れる」と自分を信じることができれば、スランプに苦しんでいても、あきらめずに粘り強く頑張り続けることができます。スランプは自分の精神力との戦いなのです。「絶対負けない!」「自分は乗り越えられる!」という強い意志でスランプを乗り越えて欲しいと思います。

将来にも役立つ克服パターン

 スランプの克服パターンについて、学生時代にスポーツ選手だった社会人にアンケートをとりました。そしてわかったことは、スランプの克服法を知らずに、自己流で試行錯誤して悩んでいた選手が多かったことです。多くの人が通るスランプですので、なるべく有効な方法を多くの人と共有していけたらと思います。
 また、選手時代に身につけたスランプの克服パターンは、現役選手を引退して社会に出てからも、その後のさまざまな局面で活かされているということがわかりました。スポーツを通して身につけた乗り越えるパターンが、自分の力となって体の中に刻まれるのです。このことは、子どもたちの心の発達にとても大きな意味を持っていると思います。
 私自身が子どもたちと接している中で、スポーツでのメンタルトレーニングを行うときと、スポーツ以外の場面でメンタルトレーニングを行うときの子どもたちの変化の違いを比較してみると、圧倒的にスポーツの場面でメンタルトレーニングを学んだほうが、身につく確立が高かったのです。
 自分が選んで行うスポーツであり、一つの目標に向かって継続的に練習するという性質があり、しかも、結果が目に見えて現れてフィードバックされるスポーツは、心を鍛えるのに最適な機会になりえるということがわかりました。
 是非、この絶好のチャンスを活かして、子どもたちの心を成長させてあげるために、メンタルトレーニングを活用してください。

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2010年5月30日 18:18に投稿されたエントリーのページです。

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